新聞の「整理」はニュースの価値判断をして、それに基づいて見出しを付けてレイアウトしていく仕事です。整理記者の格言としてよく言われているのが「1に判断、2に見出し、3、4がなくて5にレイアウト」です。 ニュース判断に基づいてレイアウトし、大事なニュースほど目立ついい場所におく。そうすると一目でこのニュースが大事だと分かります。ニュース判断は難しいですね。新しいニュースが飛び込むと載せるためにレイアウトを変える作業をしなければいけません。素早く的確な価値判断が求められます。心掛けているのは県内他紙、全国紙、テレビニュースをチェックすること。日々生活をする中で、これは実際に起きていることだと肌感覚で感じることも大切です。読者はこういう風に考えているんだろうな、と日常的に感じておくことも必要だと思います。安室奈美恵さんが引退した2018年9月16日の紙面は印象深いですね。1面と最終面を使って1枚の写真で見せるラッピングという特別紙面を作りました。整理をしましたが安室さんの顔が折り目に当たらないようずらすなど配置を工夫しました。この日は運動面も担当しました。いくつかのスポーツ記事に「ヒーロー」や「チェイス・ザ・チャンス」「ネバーエンド」と安室ちゃんのヒット曲にひっかけて見出しを付けました。そういう遊びもできます。新年号や特集の別刷り紙面の整理では普段新聞を読んでいない方を引きつけるにはどうするか考えながら組みます。大きめに写真を使ったり、字の大きさや書体を変えてみたりするなど工夫しますね。心掛けているのはミスを出さないこと。見出しもそうですが記者が書いた記事も紙面の責任者として確認します。お金を取るレベルに達していない記事は出稿デスクに突き返すのも整理の仕事だと思っています。