政治班は、沖縄県政の事業進捗や適正な行政手続きがされているかどうかなどを監視する業務になっています。県政の中では総務部や企画部、土木建築部といったさまざまな部署があり、それぞれに担当記者がいます。県議会の動向の取材もあります。 私は9月から基地担当記者になりました。基地担当は県内の米軍や自衛隊に関する内容を見ます。直近は米軍向け物資調達の米国企業が破産し、その取引先に県内企業が含まれるというニュースがあり、経済班の記者と調整して米国のサイトを調べるなどしました。 仕事のやりがいは、記事を書くことで何かしらの影響を読者や社会に与えたと感じた時です。中部報道グループ記者の時、地域の小さなお祭りや自治会の取り組みを取材して記事にしました。その後、関係者から記事について「ありがとう」と声をかけられたり、記事を読んだ人が「自治会のサークルに参加したい」と言ってくれたりすることがありました。 そしてメディアは権力を監視する役割があります。中部でうるま市担当だった時、市石川で陸上自衛隊の訓練場整備計画が持ち上がりました。住宅地などの近くに訓練場を造ろうとする計画のずさんさがあり、地域住民が一丸となって計画の撤回を求めて活動しました。私は市民の動きや思いをずっと追いかけて取材し、最終的に計画は撤回されました。 市民の動きが計画撤回に最も影響したのですが、撤回を受けて市民団体が会見した時に「メディアの皆さんが報じてくれたことがすごくありがたかった」という言葉をもらいました。現場で取材した市民の思いや声が、実際に国に届いたということだと思います。少しでも市民の思いに貢献できたのかなと思った出来事でした。 取材する中で大変なこともあります。重要な情報は受け身だとなかなか出てこないです。一方、突発的に動いて誰かが簡単に情報をくれるということもありません。まずは地道に取材相手と顔を合わせて信頼関係を築き、その末に何か重要な言葉が出てくることがあります。 また新聞記者は待つ仕事も多いです。キーパーソンに話を聞くため、相手が外に出てくるまで長時間待つこともあります。重要な米軍機の基地飛来をひたすら待ったり、米軍のパラシュート降下訓練のタイミングを屋外でずっとうかがったりもします。「これこそ記者だな」と感じますが、当然大変です。 苦労して取った情報がニュースを通して表に出て、各方面へ影響を与えられたら「よっしゃ」となります。新しい情報が出てくるきっかけにもなります。情報を取れた時の喜びはひとしおですね。 仕事をする上で大事にしていることは、とにかく読者や読む人の存在を忘れないということです。リリースをそのまま表に出す広報ではなく、分かりづらい行政用語などを一般の読者にも分かりやすく伝えることが大切です。報道されたい側がアピールすることと、読者のほしい情報が合致していないこともあります。市民目線で読者がほしい情報は何なのかを意識して取材するようにしています。 不偏不党という中立の立場の大切さも当然ありますが、メディアの役割として、権力者が力を乱用したり暴走したりしないよう監視する役割があります。権力側と同じ立場にならず、市民目線で市民に届けるための仕事をするのが大切だと思っています。行政でも一般市民より強い発言力があり、発言する市民は小さな声とされてしまいます。発言力の不均衡を把握した上で、何を社会に届けるのかが問われています。