沖縄県政の記者で主に総務部や企画部を担当しています。そこでは県予算や沖縄振興計画などを取材します。予算分野では、国による沖縄関係予算の影響や県の予算編成がどうなるのかを追いかけます。 これまでは同じ政治班で、米軍基地や自衛隊などを取材する基地担当をしていました。今は基地担当のサブも担っています。年に何度か忙しい時期があり、夜遅くまで取材で粘ることもあります。 基地は沖縄社会にとって非常に重要なテーマになります。国内の米軍専用施設の約7割が沖縄に集中しています。事件事故や騒音といった基地被害は頻繁に起きており、沖縄の人々にとって身近な問題です。 近年は対中国を念頭にした自衛隊の「南西シフト」が進み、自衛隊への取材割合も増えています。宮古支局の記者時代は、自衛隊の配備が検討されていることに対する住民の反発や葛藤などにも直面しました。大変な沖縄戦を体験したからこそ、沖縄の人々は軍事とは離れて生活したい思いです。しかし国側はどうしても自衛隊を置きたい意向があります。国側から見えることと、沖縄側から見えることは異なり、しっかり取材していきたいと思います。 今年7月に投開票された参院選の取材班メンバーでもありました。公示前の6月から取材班が立ち上がり、立候補予定者の動きを取材し続けてきました。沖縄は基地問題などで与野党対立が激しい場所でもあります。選挙期間中は候補者を暑い中、丸一日追いかけるなどし体力的に大変な面もありました。 沖縄の新聞記者は、住民に近い側で取材して物事を伝えることが多いです。住民から「書いてくれてありがとう」と喜ばれると非常にやりがいを感じます。 一方で基地問題の取材では、すぐに解決につながることがあまりないため難しい面があります。それでも問題を減らしたい、解決したい気持ちは強いです。 記者は担当分野を持ち、その分野の出来事を社会に伝える責任を負っており、責任意識を持たないといけません。また啓発や注意喚起といった役割も担っています。